背景アーティストのぶろぐ

UE4やら、Substanceやら、Zbrushやらいろんなソフトを触ったことについて色々書く。

『UnrealEngine4 マテリアルデザイン入門』を執筆しました

Twitterでは何度かつぶやいておりますが、

もんしょさんと一緒に『UnrealEngine4 マテリアルデザイン入門』を執筆しました。

 

発売は10/7(水)です。

10/8から書店に順次並ぶ予定です。

現在予約受け付け中なので興味ある方はぜひよろしくお願いいたします。

 

UnrealEngine4 マテリアルデザイン入門

 

 

 

 

 

600ページぐらいある鈍器分厚い本になってしまったので、

Kindle化を希望される方もいると思いますが、

Kindle化するかどうかはAmazonからのKindle化リクエストの数で決まるとのこと。

早く集まれば、その分早くKindle化されるということなので、

ワンクリックしていただけると助かります!

 

Kindle化リクエストはPCからであればここに有ります。

 

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書籍の内容

目次は公式サイトの中に記載されていますが、内容としては初心者向け初めてのマテリアル。
という感じです。
ターゲットとしてはアーティスト向けになっているので、マテリアルをこれから学んでいこうという方には調度良いかもしれません。

本は本編と巻末付録の2部構成となっており、本編は初心者向けの内容。
巻末付録は中級以上、もしくはテクニカルアーティスト向けのがっつりとした内容になっています。

本編と巻末付録にレベルの差はありますが、
本編を終えて様々なマテリアルを自分で勉強するようになってから
巻末付録は読みなおしてもらうとなるほど…とわかることもあるかなと思います。

 

本編について

本編では、表紙にあるようなアセットを使いながらマテリアルを仕上げていく流れになっています。
取り上げているマテリアルも私が背景アーティストなので、背景の題材となっています。

背景をリアルタイムで動くデータにするためにはマテリアルの力が欠かせません。
特にテクスチャを節約しながらどのよう作成するかというのは、
リアルタイムならではの使い方があると思います。

そのような部分をピックアップして、よく使われる背景マテリアルの事例を解説しました。
マテリアルを真似して組むというのはネットにある情報を集めればできることですが,
なぜ、その処理を行うのか、そのロジック部分はなかなか知る機会がありません。

多分、アーティストが一番むずかしいのはこのロジックを理解する部分で、
特にノードの処理が何をしているのかはシェーダープログラムの経験がないとさっぱり…
ということも多いのではないでしょうか。

私もその一人で、理解できず苦しむ事が多かったので、
なぜ、このように組むのか、
このノードはどのような処理をしているのか、
この組み方でどのような処理になるのか、

という部分に触れるようにしています。
(ロジックについてはもんしょさんにサポートして頂いて書いています!)
初心者向けで触れすぎても…という部分もあるので、
そういうところは掘り下げ過ぎないようにしていますが…。

 

もちろん、ロジックを理解しなくともマテリアルは作成できるので、
自分が知ってるノードの種類、組み方は増えていくと一気にマテリアルの読解力があがるので、
他のマテリアルを読むための土台知識となれば…という感じです。

ただ、手順とロジック両方書いてたり、わざとエラーを起こすように書いたりしてるので、紹介事例が多くないというのが今回の心残りです。

 

 

 

巻末付録について

こちらはほとんどもんしょさんに書いて頂いたのですが、

アーティストには馴染みのすくない座標系のことからサブサーフェス、モバイル向けマテリアルなど

本編では扱っていないかなりディープなマテリアルについて書いてあります。

 

見どころは多くありますが、UE4のマテリアル特有の問題として半透明の扱いにくさ、

サブサーフェスマテリアルの使い分けなどココらへんは読んでなるほど!

と思うものも多いのではないでしょうか。

 

 

私も少し巻末付録は書いていますが、

一つ紹介するなら、PBR基礎理論かなと思います。

 

これまでもPBR基礎理論は様々な資料が出ているので以前に比べると浸透したなという印象はありますが、

取り上げているのはPBRの理論部分だけではなく、

これまで用語の違いによって悩まされてきた方向けに

PBRと従来の用語の違いについても触れているので、

なんとなくわかってきたけど、まだ混乱してる部分がある。

 

という方に読んでいただけるとよいのかなと思っています。

 

 

 

書いてみての感想

まだ発売していないので今はまだ不安はありますが、

マテリアルがどういうことができるのかを知るきっかけとして手に取って頂けたら嬉しいです。

 

私が読みたかった本として企画を考えたので、

はじめはリファレンス集のようなものを書きたいなと考えていました。

 

しかし、書籍の企画としていきなりリファレンス集というのは難しく、

(今思ってみるとそれほど自分も組み方の例をもってるわけでもなく…)

このような初心者向けの書籍として書いて正解だったと思いました。

(どなたかリファレンス集をだしてくだされ~~~、読みたいですぞ!)

 

 

本を書くというのはブログとは全くことなり、

ものすごいエネルギーを消費するものだと知りました。

文章を書く作業は1日4時間ぐらいやると頭がボーっとしてしまったりと、

(単純に不慣れとも言いますが…)

非常に時間がかかるものでしたが、

それでもどうにか、こうして本として出すことができるようになり、よかったと思います。

一人でも多くの方の役に立つ情報となれば幸いです。

 

本が出ましたら、ご意見ご感想など送って頂けますと大変うれしいです。

 

 

個人的に心残りなのが、発売後すぐに語学留学に行ってしまうため、

発売後のサポートが十分に出来ないというのがちょっとつらいかな。

発売がこの時期になってしまったのは仕方ないですが、

UnrealFesに行けてたら、みなさんからの感想も直接聞けたのかなと思ったり…。

もんしょさんは行くとのことなので、何かあればもんしょさんにアタックしてください!